当鍼灸院には、消化器のお悩みを持つ方がよくいらっしゃいます。
なかには、こんな疾患もあります。
「逆流性食道炎」
皆さんはご存じですか?
今回は、逆流性食道炎について説明致します。
胃は、基本的には、ちょうどみぞおちのあたりにあります。
jの字を描いたような巾着袋のような臓器で、食べ物で満たされた状態では、1~1.5L程度の容積になります。
胃の入り口部分: 噴門(ふんもん)
出口部分を 幽門(ゆうもん)
各場所から内容物が出ないようにする、巾着袋の紐のような役割の筋肉もあります。
入り口部分の紐:噴門括約筋(ふんもんかつやくきん)
出口部分の紐:幽門括約筋(ゆうもんかつやくきん)
これらが逆流性食道炎に関わる胃の構造です。
胃は、大きく動くことで食べた物を分解し、
胃液(いえき)と呼ばれる強い酸性の液体を出すことで、
さらに細かく分解・消化しながら、
内容物を幽門から少しずつ胃の外へ流していきます。
口から入れられた食べ物は、通常は一方通行で
食道から胃へ、胃から十二指腸へと送られます。
噴門括約筋が通常通りに働かないなどの
何らかの原因で胃液が逆流することで、
食道の粘膜が強い酸性である胃液が炎症を起こしてしまします。
これが逆流性食道炎です。
胃には、胃液を出すという機能があるため、胃液に耐えうる構造を持ちますが、
食道は、本来胃液が通らない場所であるために胃液の強い酸性に耐えられません。
そのため、無症状のものから、胸やけやのどの痛みなど、さまざまな症状を有します。
逆流性食道炎には、さまざまな症状があります。
1.胸焼け | 胃液などが食道に逆流して、胸やけや胸が締め付けられるような痛みが生じます。 |
2.呑酸 | 酸っぱい液体が口まで上がってきてゲップがでます。 |
3.口内炎、のどの痛み | 逆流した胃液で、のどや口腔内に炎症が起こり、ひどくなると食べ物が飲み込みづらくなったり、声がかれたり、口内炎が多発したりすることもあります。 |
4.咳・喘息 | 逆流した胃液がのどや気管支を直接刺激したり、食道を介して刺激が伝わったりし、咳や喘息が起こる場合があると考えられています。 |
5.その他 | 何となくの前胸部の違和感・不快感、のどの違和感など非常に多彩な症状を起こすことがあります。 |
鍼灸は、免疫力を高めることが近年話題となっておりますが、
逆流性食道炎の症状も鍼灸施術によって改善ができると考えております。
東洋医学的には…
逆流性食道炎は気が極端に上に上がっていることが多く、
本来下向きにあるべき気の流れが「逆流」してします。
また、「炎症」は炎をまとっているので、熱を有します。
そのため、お腹を拝見すると胃や食道のある場所に熱の所見が見られ、腫れていることが多いです。
さらに、温かい空気は上へ行くのと同じように、
熱も気の流れを上向きにさせます。
つまり、炎症は気の流れの逆流も悪化させるのです。
鍼灸施術としては、
これらの症状の気の流れ方を、通常通り下向きにしていくところからスタートします。
気が異常に上向きになっていることから、身体の上部に症状が出ることが多いため、
肩こりや頭痛、めまいやイライラも お持ちの方も多いと思います。
これらも気の流れを適切に下向きに変えていくことで、
症状すべてが改善されていく方が多いです。
これは、患者様にもお伝えすることが多いですが、
身体は、1枚の皮膚でつながっています。
一つの消化器の動きの悪さが、
隣り合う内臓や筋肉の動きの悪さへ影響し、
それがさらに波及して、肩こりや頭痛、自律神経の乱れなど、
様々な個所へ影響を及ぼします。
これをお読みいただいている方には、逆流性食道炎はもちろん、
ぜひ肩こりや腰痛などの根本的な原因を見つけて頂き、
関連する症状すべてをきれいさっぱり改善していただきたいです♪
この症状は何が原因?
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そんな方は、お気軽に当鍼灸院「きき鍼灸院」まで
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きき鍼灸院
院長 徳田麗早